新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ気の抜けない日々が続き、私たちの生活への影響は計り知れないものとなりました。事業者の方にとっては、資金の面で今後に不安を感じておられる方も多いのではないでしょうか。売上が急減しても支払わなければならない固定費のひとつが『家賃』ですが、事業者にとって負担の大きい家賃を国が一部補助する『家賃支援給付金』が今国会にて予算成立となりました。今回は、家賃支援給付金の⑴給付対象者と⑵給付額について説明していきます。
- ≪⑴給付対象者≫
家賃支援給付金の対象者は、下記①、②のいずれかに該当する中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者です。
または
- ≪⑵いくら給付されるのか≫
次に、給付額の計算方法を確認してみましょう。経済産業省の発表では、“申請時直近の支払家賃(月額)に基づき算出される給付額(月額)の6倍(6ヵ月分)を支給”となっています。この給付額は①法人または個人事業主のどちらか、②保有する店舗数が1店舗または複数店舗なのか、により計算方法が異なります。
【法人の場合】
上記は最大の上限額です。法人の場合、月額家賃75万円以下は給付率が2/3、75万円超は1/3となります。
例)月額家賃90万円の店舗を3店舗保有の中小法人の場合
支払家賃 →90万円×3店舗=270万円
このうち75万円以下は給付率2/3 →75万円×2/3=50万円
75万円を超える部分は給付率 1/3 →(270万円-75万円)×1/3=65万円
50万円+65万円=115万円で申請…としたいところですが、上記の最大の上限額により
こちらのケースでは100万円×6か月分=600万円の申請が可能となります。
【個人事業主の場合】
つづいて個人事業主ではどう変わるのでしょうか。個人事業主の場合、月額家賃37.5万円以下は給付率が2/3、37.5万円超は1/3となります。
例)月額家賃45万円の店舗を1店舗保有の個人事業主の場合
支払家賃 →45万円×1店舗=45万円
このうち37.5万円以下は給付率2/3 →37.5万円×2/3=25万円
37.5万円を超える部分は給付率 1/3 →(45万円-37.5万円)×1/3=2.5万円
25万円+2.5万円=27.5万円という計算になりますが、こちらも最大上限額により
25万円×6か月分=150万円の申請が可能となります。
今回お伝えした家賃支援給付金の申請手続きに関しては未定ですが、持続化給付金と同じような書類提出を求められることが予想されます。
・法人事業概況説明書(裏面)※の準備
※月別売上の年間推移が記載されています
・申請対象となる月の売上台帳等(5月分で申請の場合は5月の台帳)
・前年同月の売上台帳等(5月で申請する場合は5月の台帳)
・申請時の直近の支払家賃の月額がわかる資料
《その他》
・不動産オーナーからの請求書など
・賃貸借契約書
・個人事業主の場合は青色申告決算書(2枚目)
この法案は閣議決定され国会通過後、予算成立となりますので実際の手続きは6月下旬より開始されるものと思われます。