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COLUMN

企業経営

金融機関と良い関係を築いていますか?

当社がお手伝いをしている企業の経営者で、「金融機関との付き合い方」を悩んでおられる方は沢山おられます。
「ウチ会社のこと全然理解してくれない!」
「担当者は決算書を取りに来るだけ!」
「突然金利を引上げられた!」........等々。
経営者の皆様!
金融機関に自社のことをわかってもらえるよう努力されていますか?


□地元金融機関
9月○○日 午前10時
○○信用金庫本部会議室
当社のお客様の業績に対するモニタリング会議(業績検討会議)がメインバンクである
地元信用金庫本部会議室で開催されました。
5分前に会議室に入ったものの、既に社長様他出席メンバー全員が揃っておられて熱気の中会議が始まっております。
金融機関側の出席メンバーは担当部署の部長、課長、本部担当者2名、取引支店の支店長の計5名で、細部に踏み込んだ業績検討と、今後の金融支援についての話合いが行なわれました。多くの人員と時間を掛けて、業績不振で財務基盤の脆弱な中小企業を支えてメインバンクの責任を果たして行こうとする、地元の金融機関の真摯な姿勢を見せて頂くことが出来ました。

経営者は誰しも
・金融機関とはいい関係でいたい。
・関係を維持するために「自社の事を理解してもらいたい」、「もっと腹を割って話せる関係になりたい」
と思っておられることでしょう。
そのような関係になれるのはやはり地元の金融機関ですし、時間をかけて関係を築いていくのは経営者の大切な仕事であると思います。
「金融機関にプレッシャーをかけて融資を引き出す」「駆け引きをして金利を下げさせる」というのは1、2回なら成功するかもしれませんが長期的にはいい関係にはなれません。


□金融機関に自社を理解してもらうためには?
毎期決算後に法人税申告書の写しを提出していると思いますが、簡単でいいので決算報告書を出しましょう。事業概要について総括するとともに、
「経営者自身がどの様な思いで事業を行ってきたのか?」
「来期はどのような事を重点としているのか?」
と言うことを経営者自身の言葉で綴ってください。
業績の推移表や財務分析表などは、金融機関側のデーターベースに打込むと自動計算
されますので、あえて提出する必要はありません。そして簡単でいいので来期の事業計画書もつけましょう。
「文章で表した事業の重点」「数値で表した来期計画」。この2点で十分です。


□地元金融機関は金利が高い!!
金融機関の貸付金利=調達金利+経費率+貸倒率+収益率で決定されます。
地方銀行、信用金庫、信用組合の資金調達方法は主として預金ですが、都市銀行(メガバンク)、大手地方銀行は預金の他インターバンク・国内外金融マーケットトと幅広く資金調達が出来、貸出レートを低く設定することが出来ます。
ですから中小企業でもメガバンク等から融資を受けているケースはよくあります。中には年商が数億円程度で取引金融機関が全てメガバンク。決算書を出した途端に当座貸越の更新と折返し融資を断られ、あわてて当社に相談に来られたと言うケースがありました。お付き合いする金融機関は自社の身の丈にあったところをお勧めします。


□金利の引上げを阻止するには?
近頃、取引金融機関から決算書を提出すると当座貸越や手形割引の「金利を引上げて欲しい」との通告を受けたと言うご相談が増加して来ました。
中小企業においては長引く不況の影響で貸倒引当率が徐々に上昇して来ていることが背景のひとつにあるようです。金融機関は決算書や試算表の数値で「この企業は貸倒引当金の積増しが必要」と判断します。そのような事態には、やはり「事業計画書」を提出して、今後の事業の収益を明確にし、金融機関に対して「貸倒率が低くなります」と
の説明が必要です。粘り強く交渉をしてください。

担当:久松 明子

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