2012年となり5ヶ月が過ぎようとしています。年初めに描いた医院の目標値への達成度はいかがでしょうか。私がお手伝いさせていただいている医院様でも、毎月の目標値を明確に設定しております。医院様によって細かな設定をしているかは差がありますが、毎月の収入目標として保険点数と自由診療収入は必ず設定しております。ただ、目標設定はしているものの目標数値を活かしきれていない医院様が多いように思います。
この数値目標を活かすためにおさえて頂きたいポイントが3つあります。
3つのポイント(目的、方法、期間)を参考にしてみては、いかがでしょうか。
1.目的
目的は、なぜ目標を立てるのか、立てる必要はあるのか、立てた目標はどう使うのか等です。院長が目標を立てることは、医院の方向性を示すものになります。短期的な目標ばかりでは、医院の目指す方向がスタッフへ伝わりにくくなります。方向性を定めた上での年度目標であれば、長い医院経営において、一歩ずつ大きな目標に近づいていることが実感できます。院長がなぜこの目標を立てたのか、院長がどのような医院を目指したいかが伝えるために、「なぜ」をしっかりと伝えていただきたいです。そして、継続して医院経営をするための必要な利益についての説明を加えることによって、院長とスタッフが一丸となって目標達成の必要性を理解し、一緒に達成感を味合うことができます。
例)損益分岐点分析からの目標設定
年間収入3600万円・年間利益1000万円の医院(粗利益率は80%とすると)
(収入)3600万円 - (材料費)3600万円×20% = 2880万円 2880万円 - (利益)1000万円 =(固定費)1880万円 |
①年間利益目標を1300万円とする場合
(利益)1300万円 + (固定費)1880万円 = 3180万円 3180万円 ÷ (粗利益率)80% = (年間収入)3975万円 ・・・よって年間収入目標は3975万円(毎月収入331.25万円) |
②年間利益目標を1600万円とする場合
(利益)1600万円 + (固定費)1880万円 = 3480万円
3480万円 ÷ (粗利益率)80% = (年間収入)4350万円
・・・よって年間収入目標は4350万円(毎月収入362.5万円)
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2.方法
方法は、どのような方法で目標を達成するのか、目標達成するための新たな取り組みはあるか、目標へ向けて行動できる環境は整っているか等です。目標達成への具体的な行動がなければ、目標達成は難しくなります。現状の運営方法の延長線も良いとも思いますが、新たな運営方法で目標達成を目指す根拠を考える機会にすることがさらに良いでしょう。
3.期間
期間は、どのような段取りで目標達成するのか、いつまでの期限を決めているのか、定期的な進捗具合の確認時期を決めているか等です。目標を立てて行動するだけでは、どのぐらいの成果が出たのかがわかりません。目標は達成すること(Do)と達成へ向って行動する(Action)ことが大切です。目標達成の可能性を高くするためには、綿密な計画を立てることもちろんですが、実際の現場においては定期的な検証を行うことのほうが達成率を上がることにつながりやすいです。
経営数値目標は、立てるだけで終わってしまっては、あまり意味がありません。医院経営に活用してこそ、価値あるものになります。
目標設定 ⇒ 達成への努力 ⇒ 達成度の検証 ⇒ 新たな取組みや取組みの見直し |
次回からは、この医院の数値目標を活かす3つのポイントを細かく説明いたします。
担当:竹田元治
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