この改正は、平成23年11月30日に成立しました。
青色申告法人は、欠損金が生じた場合、7年間繰り越してその間の利益金から控除することができます。つまり、一期大赤字を出したら、その後7年間の間に利益を出しても、その欠損金の金額までは税金はかかりません。この7年間が9年間に延びるという改正です。
■対象となる繰越欠損金
対象となる欠損金は現行と変わりありません。
青色申告書を提出した事業年度の欠損金
青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金
連結欠損金
■延長期間
欠損金の繰越期間は、現行の7年から9年に延長されます。
■適用要件
新たに、欠損金が生じた事業年度の帳簿書類の保存が適用要件とされました。
■適用時期
平成20年4月1日以後に終了する事業年度において生じた欠損金について適用されます。
例えば平成23年3月期に発生した欠損金は、平成24年3月期から平成32年3月期までの9年間に生じる所得の金額から控除できます。
■更正の請求
法人税の欠損金に係る更正の請求期間も9年間とされました。
■欠損金の利用制限
欠損金の繰越控除は、これまで全額が認められていましたが、改正後は、繰越控除をする事業年度のその繰越控除前の所得の金額の100分の80相当額が、繰越控除限度額となります。ただし、中小法人等は、今まで通り全額控除することができます。
中小法人等とは
普通法人のうち期末の資本金(出資金)の額が1億円以下であるもの
または、資本(出資)を有しないもの
公益法人等
協同組合等
人格のない社団等
これで、欠損金切り捨ての可能性が低くなり、企業のキャッシュフローの改善が期待できますね。