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COLUMN

税制解説

成年扶養控除の見直し

23年の所得税の税制改正案に、満23歳以上満69歳以下の扶養親族について、扶養控除が受けられなくなる見直し案がありました。
扶養控除は、納税者の方に扶養親族がいらっしゃる場合には、一定の金額を扶養控除として、その方の課税標準から控除されてきました。(下図1.)
扶養控除は、これまで扶養親族の所得制限はありましたが、控除を受ける扶養者側の所得制限はありませんでした。
ところが、この度の税制改正では、控除を受ける扶養者の合計所得金額が400万円超(つまり給与収入なら5,676千円超)の場合には扶養控除が受けられなくなります。

1. 現行の扶養控除等

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2. 扶養控除の見直し(対象者の限定)

※所得制限を受けない方
 特定成年扶養親族に該当する扶養親族がおられる方は、所得制限の適用を受けません。
 今まで通り、扶養控除の適用を受けられます。

特定成年扶養親族・・・成年扶養親族のうち次に掲げる方などに限定されます。

年齢65歳以上70歳未満の方
心身の障害等の事情を抱える次に掲げる方
① 障害者(障害者控除制度の対象者)
② 介護保険法の要介護認定または要支援認定を受けている方
③ 心身の状態により就労が困難と認められる一定の方
勤労学生控除の対象となる学校等の学生、生徒等

※上記以外の成年扶養親族については、その年の合計所得金額が400万円(給与収入568万円)以下である居住者の扶養親族に限ることとなります。なお、合計所得金額が500万円未満の場合には一部控除が受けられるよう負担調整措置が置かれます。

3. 適用開始時期

平成24年以後の所得税から適用されます。

4. 成年扶養控除見直しの留意点

多くの中所得者以上の方が成年扶養者を扶養にできなくなることから、税負担の増加が見込まれます。

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