「事業承継」とは、簡単に言いますと企業の経営を誰に、どのように、いつ引き継いでいったらいいかという問題です。
弊社の顧問先でもこの問題をかかえて悩まれている社長は多いように感じます。とはいえ、それらの企業の大半は事業承継を十分に検討できていません。経営者には定年という縛りがないにしても中小企業の経営者の方の高齢化が進んでいる今、社長自身将来を見据えた事業承継を考えなければならない時期に近づいてきていることは確かです。
引退時期が近づいている55歳以上の経営者で事業承継希望がある企業でも、33.1%は事業承継について深く検討していない
私の顧問先の社長にも数年前から後継者問題をお話ししてまいりました。とはいえ、社長は74歳であっても現場に出て元気に働いていらっしゃるので、なかなか聞く耳をもっていただけませんでした。転機は数ヶ月前の検査入院でした。検査の結果、特に問題はなかったのですが、先日お伺いしたとき、社長から「そろそろかなぁ」とのお言葉。社長ご自身もいろいろと思い悩んでの第一歩かなと思います。
■事業承継 三つの問題
決断の時期はそれぞれでしょうが、突然何の準備もなく引き継ぐことになるよりも、準備を整えてから後継者を就任させるほうがいいに決まっています。ただし、この事業承継には様々な解決すべき問題が存在します。
事業承継には、ヒト・モノ・カネの3つの問題が存在します。この問題を解決するには具体的な対策を盛り込んだ計画が必要です。多くの企業は経営計画を立てられていると思います。
しかし、その経営計画に事業承継まで盛り込んでいる企業は少ないはずです。これからは経営者が事業承継問題を自覚し、
・取引先との関係
・従業員に与える影響
・残される家族
などを熟慮したうえで、今後起こりうる諸問題を解決するために経営計画を立案し、実行していかなければなりません。
しかし、その経営計画に事業承継まで盛り込んでいる企業は少ないはずです。これからは経営者が事業承継問題を自覚し、
平成21年05月14日 担当: 藤田 匡紀