先日のことなのですが、個人で事業をされていたお客様が会社組織を作られました。
社会的信用をより深めることなど、色々なことを考慮しての決断でした。
いわゆる、法人成りと私たちは言いますが、その法人成りに関しては細心の注意が必要です。
例えば、退職金問題を事例に挙げますと…。
個人事業をされていたときに結婚を理由に退職された社員さんがいました。その社員さんには、功労金と勤続に応じた退職金を支給しました。ただ、個人事業から会社になることによって、現在採用されている社員さんの退職金をどう考えるべきなのかという問題点が生じます。
例えば、退職金支給の基準が基本給×勤続年数とします。基本給15万円で勤続年数10年とすると150万円の退職金になります。会社を設立して、すぐに社員さんが退職されたとして、その退職金150万円を会社の経費として全額を負担させていいのかと言った問題点が生じます。
退職金は給与の後払いと言った考え方も一部あります。そういう意味では、個人事業時代の経費として考慮すべきことが必要な場合もあります。
この退職金以外にも、労働保険料や賞与等々…。なかなか、一般の方には気付きにくい事柄は多くあります。
会社を設立される場合は必ず専門家に事前相談されることをお勧めします。
担当:川部俊幸