書面添付制度が改正されて久しいですが、当社でも、ちょうど一年ほど前から書面添付に積極的に取組み始めています。
書面添付とは、申告書を作成するにあたって税理士が計算し、整理し、相談に応じた事項を記載するものであり、税務調査を受ける前に税務署より意見聴取の機会を与えられる、というものです。
要するに、税理士の立場がこれまで以上に尊重されると共に、納税者にとっても調査省略の可能性が広がり税務調査の負担軽減に繋がるという、非常にありがたい制度です。代わりに税理士にとっても、虚偽記載等を行えば懲戒処分を受けるという責任の重い書類でもあります。
この書面添付の内容に関する問い合わせが、先日ありました。私の担当先では初めてです。前もってどういった書類を確認したいのか伺い、いざ税務署へ訪ねました。社長の性格や年齢、どういった経営をされているか、といった質問から、どういった顧客を対象にどういった商品を扱っているのか。売上が計上されるまでの経理処理はどうなっているのか、税理士はどういった点を確認しているのか。通常の税務調査で最初に聞かれるような会社概要の質問が続きました。
すると・・・
『じゃあ今日のところはこのへんで…..。ご足労ありがとうございました。今年に関しては、調査は見送らせていただきます。』
というありがたいお言葉が!
2,3日かけて徹底的に帳簿書類を確認される通常の税務調査に比べ、簡単に終了しました。いつもこんなにすんなり調査省略とはいかないでしょうが、税務調査のために忙しい仕事の合間に日程の都合をつけたり、事前に数年分の帳簿書類を用意したりと、多大な労力を強いられるお客様にとっては、メリットは大きかったと思います。(僕はちょっとたいへんですが)今後も頑張って書面添付を続けていこう!と思いました。
平成22年07月16日 企業会計部門 中村 和弘