税務・経営ニュース
COLUMN

巡回監査日誌

調査官の眼

先日の税務調査でのことです。調査官が、お客様のところの契約書をチェックされていたときのことです。

「ここに記載されている口座番号は、この通帳と1番違いますね。通帳は末尾が3ですが、契約書は2となっています。」

私と担当者は、お客様がワープロで作成されている契約書なので、「えっ、社長間違われたんですね。先方に伝えないと、振り込まれませんね。」と反応すると、

調査官は、
「でも、この口座があるかもしれないので、銀行に行って調べてきます。」

と、銀行に調べに行かれる恰好の口実となってしまいました。

私たちはびっくりして、「はー、そんな風にとられますか・・・。きっと単なる打ち間違いですよ。」「きっと『はっ、はっ、はっ、間違うた!』と笑い飛ばさはりますよ。」と申しましたが、
「そうかもしれませんが、別口座かもしれませんので、一応調べないと・・・」

と言って帰られました。

夕方、社長が戻られて、このことをお伝えすると、案の定、「はっ、はっ、はっ、間違うた!先月契約したとこやから、すぐに先方に連絡するわ。」と、笑い飛ばされたのでした。

後日、調査官から連絡があり、修正はなく、申告是認となりました。でも、私にとっては、その若い調査官の鋭い眼に衝撃を受けました。

平成22年06月03日 企業会計部門 島 陽子

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