皆さん、相続税の節税策として、毎年少しずつコツコツと子供や孫に贈与を行って相続財産を減らすという方法をとっていませんか?
今日、お客様のところで、この質問を受けました。
もちろん、この方法は相続税の節税策としてとても有効です。
ただし、この方法。もし「連年贈与」と認められてしまった場合には、長年かけた節税策が無駄になってしまいます。
例えば、1年間(1月から12月)に100万円の贈与を行った場合には、年間110万円の基礎控除があるので贈与税は全くかかりません。でも、「毎年決まった日に100万円を10年間贈与する」という方法をとっていた場合、毎年それぞれ100万円の贈与をしていると考えるのではなく、「最初の年に10年間で 1000万円を贈与するという契約を結んだ」とも考えらるのです。そうなると、贈与開始1年目に(1000万円-110万円)×40%-125万円=231万円の贈与税がかかってしまいます。
相続税で40%の税率といえば、親子3人で6億5000万円を相続したときに適用される税率です。
では、この「連年贈与」と認められない贈与とはどのようなものでしょうか?
毎年贈与する金額・日にちが違う。
基礎控除額(110万円)を超えているので、贈与税の申告・納税がある。
土地・建物などは、その都度、所有権移転登記がされている。
これだけをもって即、「連年贈与ではない」と認められるわけではありませんが、年数をかけておこなう長期的な計画ですし、失敗しないためにも是非このような対策を取った贈与をおこなってください。
平成22年03月30日 企業会計部門 内田亮