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COLUMN

巡回監査日誌

万が一の事態への”備え”を再点検してみませんか?

近年、大規模災害の発生や偽装隠蔽をはじめとした企業不祥事の多発などによって、リスクが顕在化・巨大化しています。わたしたちの生活を脅かす事例が後を絶ちません。この機会に”備え”を総点検し、リスクマネジメントにぜひお役立てください。

先日、あるお客さまのところへ訪問したところ、所有マンションの火災保険についてご相談がありました。その場で保険証券を拝見すると、3,000万円の保険金額が付保されていました。マンションの購入価格は3,000万円です。

さっそく提携している協業損保代理店に相談したところ、マンションについては区分所有分土地及び建物の共有部分などが含まれるため、建物の構造・地域・築年数などから評価額が計算され、

このマンションの場合、簡易評価では、約800〜1,050万円程度が目安となります。

とのことでした。つまり、約2,000万円の超過保険になります。

■超過保険とは?

超過保険とは、「保険金額(契約金額)が、保険の対象である物(この場合はマンションの建物)の実際価額(保険価額)を超える保険」をいいます。超過保険の場合、十分な補償が受けられる一方、保険価額(マンションの価額)を超過した保険金額の分は無効になってしまいます。

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という訳で、仮に最高値の1,050万円の評価とした場合、3,000万円の保険金額で契約したからといって、最高3,000万円もらえるというのは誤解です。保険金の上限は、あくまで実際の損害額となります。このお客さまの場合、約2,000万円分の保険金額は、むだな掛金(保険料)となりますので注意が必要です。

上記の例のように、わたしたち監査担当者は、企業をとりまくリスクへの対策を講じるため、しばしば保険証券を拝見します。

すると、多くの企業が保険内容を把握していらっしゃらないという実態に遭遇します。“自社”は”自分”は大丈夫であると思わず、もう一歩踏み込んで、ロッカーや金庫の中にしまわれている保険証券をとりだし、じっくり眺めてはいかがでしょうか?

万が一の事態のときに後悔しないためにも、専門家に相談されることをおすすめします。

※上記ご案内は損保会社の作成した簡易評価を利用した場合であり、マンションの購入額に区分所有土地・共有部分が含まれない場合などは、「購入価格=保険金額」となるケースもあります。

医療福祉部門 江原 真也

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